原発性胆汁性胆管炎(PBC)

PBC

原発性胆汁性胆管炎(PBC)は胆管細胞が障害を受け胆汁うっ滞を生じる慢性進行性の肝疾患です。

胆汁うっ滞に伴い肝実質細胞の破壊と線維化を生じ、最終的には肝硬変から肝不全を呈します。臨床症状が全くみられないものを無症候性PBCと診断され、このような症例は長年無症状で経過し予後も良好です。しかし、無症候性PBCの約10~40%(5年間で約25%)は痒みや黄疸を伴う症候性PBCへ移行します。黄疸期になると進行性で予後不良です。

5年生存率は、血清総ビリルビン値が2.0mg/dLでは60%、5.0mg/dLになると55%、8.0mg/dLを超えると35%となるため、肝移植の適応となります。

確立した根治的治療法ではありませんが、ウルソ(UDCA)が現在第1選択薬となっています。
初期から投与されると90%の症例では胆道系酵素の低下がみられます。

適応はないものの高脂血症薬の1つであるベザフィブラート、ペマフィブラーにも生化学的改善効果が認められており、我が国ではしばしばUDCAと併用されています。

肝機能が改善して正常化してもUDCA等を中止すると再び元の肝機能に戻るため注意が必要です。症候性PBCでは、胆汁うっ滞に基づく症状、特にそう痒、高脂血症とビタミンDの吸収障害による骨粗鬆症に対する治療が重要です。また、門脈圧亢進症を来しやすく胃食道静脈瘤の定期的なチェックが必要です。
進行例では肝癌を併発する事もあります。病期が進み黄疸が出現すると肝移植の適応となります。

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