自己免疫性肝炎は、自己免疫的機序により肝細胞が障害され、慢性に経過する肝炎です。中年以降の女性に好発することが特徴で、診断にはまず疑うことから始まります。
診断には、既知の肝炎ウイルス、アルコール、薬物による肝障害を除外、自己抗体陽性(抗核抗体・抗平滑筋抗体陽性)、免疫グロブリンであるIgGの高値、肝生検による組織学的特徴、副腎皮質ステロイドの有効等が挙げられています。
治療法
治療目標は血清トランスアミナーゼ(AST、ALT)の持続正常化です。第一選択薬はプレドニゾロンで、血清トランスアミナーゼとIgGの改善を指標に減量していきます。
プレドニゾロン漸減時や軽度の再燃時には、ウルソデオキシコール酸を併用することで血清トランスアミナーゼの持続正常化を得られる場合があります。副腎皮質ステロイド治療にもかかわらず再燃を繰り返す症例や副腎皮質ステロイドが使用できない症例では、免疫抑制剤アザチオプリンの使用が有効なことがあります。